京都精華大学|マイノリティの権利、特にSOGIをはじめとした〈性の多様性〉に関する知識と、それらを踏まえた表現倫理のリテラシーを備えたアートマネジメント人材育成プログラム

PROGRAM

06

ネットワーク構築ゼミ・カナダ編

火を囲んで ─Two Spiritの人たちから受け取ったこと
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「火を囲んで──Two Spiritの人たちから受け取ったこと」
日時

2023年2月5日(日)11:00〜13:00

受講方法

オンライン(Zoomを使用します)

定員

15名

申込

2023年2月3日(金)締切

トロント在住の編集者・吉田守伸によるゼミの第2弾。「Two Spirit」とは、北米の先住民コミュニティで典型的な男性や女性とは異なるアイデンティティを持つ人たちが自らを指して使う言葉です。春夏秋冬の折々にTwo Spiritの人たちと過ごした時間とそこで学んだことを、カナダにおける先住民の状況も紹介しながら、参加者と共有します。

講師より

 トロントに暮らし始めてから一年が経った。厳しい冬や異様に高い物価、精神的な上がり下がりと格闘しながら自分が根をおろせる場所を探し求めて、最終的になんとなく私が居つくようになったのがTwo Spirit(ツー・スピリット)の人たちのコミュニティだった。

 

 Two Spiritとは、北米の先住民コミュニティで典型的な男性や女性とは異なるアイデンティティを持つ人たちが自らを指して使う言葉だ。この人々はかつてコミュニティからの逸脱者ではなくむしろそこに調和をもたらす存在とみなされ、特別な役割を担っていた。この伝統は西洋諸国の植民地支配によって破壊されてしまったが、いまTwo Spiritというアンブレラ・ターム(様々な関連し合うカテゴリーを包摂する用語)を旗印に失われた精神のあり方を取り戻そうとする動きが進んでいる。

 

 私にとってTwo Spiritは「なんだか気になる人たち」としか言いようがない。伝統的な薬草について学ぶウォーキングツアーで一緒に草花をかき分けたり、夜中の公園でクラブミュージックに合わせて踊ったり、同じ火を囲んで年長者の教えに耳を傾けたりするうちに、その精神世界や場づくりの作法にどんどん魅せられていった。同時に、より大きな先住民コミュニティでの役割を模索するTwo Spiritの人たちの姿が、歴史的な文脈は全く違えど、日本社会の中で性的なはみ出し者として自己を形成してきた自分が家族や社会の中でもう一度役割を見つけようともがく姿とどこか重なって見えた。

 

 このゼミでは、カナダにおける先住民の状況も紹介しながら、春夏秋冬の折々にTwo Spiritの人たちと過ごした時間とそこで学んだことをみなさんと共有したい。

講師プロフィール

吉田守伸
編集者
2015~19年に日本評論社に勤務した後、2020年からフリーランス。トロントメトロポリタン大学(カナダ)出版技能養成プログラム在籍。担当書にSWASH編『セックスワーク・スタディーズ――当事者視点で考える性と労働』(日本評論社、2018年)、康潤伊・鈴木宏子・丹野清人編著『わたしもじだいのいちぶです――川崎桜本・ハルモニたちがつづった生活史』(同、2019年)、山田創平編著『未来のアートと倫理のために』(左右社、2021年)など。